第9回 アーティスト・イントロダクション

 

初めまして!彫刻専攻の小山大輔といいます。

 

私は服のシワが持つ偶然性や、造形的な美しさに関心がありました。服を着ている人の姿勢によって、弛んでゆったりとしたシワができたり、張ってシャープなシワができたり。また、そうして出来たシワから人を感じ取ることもできることが面白いなと思いました。そのような特徴を活かした人物表現を行いたいと思い、3点の作品を制作しました。

それぞれの作品で異なる素材の服のシワを表現し、質感の違いを表現しました。また男性をモデルにした作品と女性をモデルにした作品を作ることで男女の体つきの違いを表現したり、それぞれ違う人物をモデルにしたりすることでその人物がどのような性格なのかが伝わるような表現をしたいと考えました。私の作品を見て、少しでもシワの持つ面白さ、美しさに気づいてくださったら良いなと思います。

第8回 アーティスト・イントロダクション

 

こんにちは!彫刻専攻の髙見杏優です!

私の研究テーマは【立体造形における表面装飾を用いた人物表現】として、制作において、人の「不安感」と「安心感」について考えています。

 

モチーフは人のトルソー(胴体)で3点制作し、素材にはテラコッタ粘土を用いています。

私は大学入学時からテラコッタ粘土を使い、人物をモチーフにした心象表現を行う中で、人体や人の動きの美しさを形にしてきました。今回の作品は表現したい動きや美しさを強調して、身体を捉え表現しています。

不安感と安心感の揺れ動きは、日常生活の中でも常に存在しており、自分と他者が上手くやっていくためにも、自分が自分として生きていくためにも、非常に重要な感情であると考えています。

しかしそれらの不安感や安心感は人によって捉え方が様々で、言葉では適切に全てを表現できません。その捉えられないふわふわしたものを形にしたり、鑑賞者が作品の空間に足を踏み入れたりしたとき、それぞれの不安感、安心感が思い出されるような作品を目指しています。

ここではそれぞれの作品の一面しかお見せできませんが、会場では作品たちが作り出す空間も楽しめます。

鑑賞者である皆様が、作品たちの作り出す空間に足を踏み入れ、それぞれの言葉にし難い不安感と、その中に灯る安心感を思い起こし、感じていただければ嬉しいです。

会場でお待ちしております

第7回 アーティスト・イントロダクション

 

こんにちは!デザイン専攻の松山そよかです。🥝

 

私の研究のテーマは【普段あるものの意識や認識を変えるデザインの研究と制作】です。

突然ですが皆さん、普段野菜・果物をどのように認識していますか。おそらく多くの人が食材と認識しているのではないでしょうか。

私自身も同じように認識していましたが、食品パッケージやポスターなど、食材を用いたグラフィックデザインを見ていく中で、同じ食材を用いたデザインであっても、魅せ方によって与えられる印象が違うことに気づき、それに衝撃を受けました。

その中でも、野菜・果物を切り分けた時の断面の模様に魅力を感じています。
卒業制作では、普段見ている野菜・果物からは感じることのない印象を与えるようなデザインをしていきたいと考え、この研究に至りました。
作品は水彩絵の具と消しゴムはんこで作ったスタンプを用いて制作しています。私は水彩とスタンプ、2つのそれぞれの良さを同じ画面上に表現するために、スタンプのインクに水彩絵具を用い、2つがうまく馴染むようにしました。 
描いている野菜・果物は何なのかがわかり、かつ普段感じるものとは異なる印象を与えられるようなデザインにするために、描く野菜・果物の本質となる部分を用い、普段見ることのない断面や画面構成によって、意識や認識を変えられるように制作しました。

私の作品を見て、皆さんはどのような印象を受けるでしょうか。普段見慣れている野菜・果物の違った一面を知っていただけたら嬉しいです。会場でお待ちしています!

第6回 アーティスト・イントロダクション

 

こんにちは!
デザイン専攻の倉橋あみです☺︎
私の研究テーマは【マチエールを利用した描画装飾デザインの研究と制作】です。
私は人の「無意識」に興味があり、3年次から人の無意識に着目した作品を制作してきました。今回の卒業制作では、「無意識」のテーマにおいて、特に自分自身が意識と無意識の境界を感じながらキャンバスに形を描いています。

制作の過程で、何度も形を吟味したり、色の対比の効果を用いたりしながら、テーマにおける作品の表現方法を模索しています。

また、作品にはポイントとなる人のモチーフをとり入れたり、マチエールを利用したりしています。

画面上に描かれた「形」と人の表情を絡ませながら作品の中に様々な世界を想像していただけると幸いです!
会場でお待ちしております☺︎

第5回 アーティスト・イントロダクション

 

こんにちは!絵画専攻の平井望結です🍀
私の研究テーマは、「アクリル絵具による絵画表現の研究」です。
私は、絵画に現れる作者の「感性」や「精神性」を題材に制作を続けてきました。
皆さんは印象派という言葉を聞いたことはありますか?
印象派とは、対象から受ける印象を表現するために、写実的に描くのではなく、あえてタッチを残したりして描画する絵画表現の1つです。
私にはそのような作品には、作者の感性や、精神性が強く現れているように見え、非常に魅力を感じます。
印象派以外にも、例えば子供たちが描いたような絵を想像してみてください。子供たちは絵を描くとき、形や色を直感で表現したり、特に描きたい対象を、無意識のうちに誇張して描いたりするので、感性や精神性が現れやすいです。
見たままのものに囚われたり、固定観念に縛られたりしない、「ここが好きだからこう描きたい」「これを見た時はこんな気持ちになった」というように、その人の思いが強く現れた作品はやはり面白いと思います。
今回の卒業制作でも、自分の感性や、気持ちを大切にしながら制作しています。
絵を観たときに、少しでも何か感じていただけたら幸いです。
ぜひ会場でお待ちしております☺️

第4回 アーティスト・イントロダクション

 

こんにちは!絵画専攻の4回生、無藤嶺史です。

私の研究テーマは「邦楽表現の絵画的表象化」です。

 

人は音楽を聴いた時、多かれ少なかれ、情景の想像をすると思います。

また、脈絡もなく色を感じたり、テンポ・リズムから感情が起伏したりすることも少なくないと思います。

私はこうした、“音楽が与える感情”に注目し、視覚的に表すことを目指しました。

アートは私たちに「鼓動」を与えます。

 

時には、滑らかで心に寄り添い

時には、心を揺さぶり熱らせ

時には、心を燻り、蟠りを与え

時には、その美しさに陶酔させられる。

音楽も美術も、あるいは他の多様な「アート」も、

その享受の仕方は多様であるでしょう。

 

アートは、科学では捉えきれない。

もし、今日の制作を明日始めていたら、きっと違ったものになっていたでしょう。

そんな無数の可能世界の中で、淡く、脆く、あぶくの様な作品たちを

お楽しみ下さい。

第3回 アーティスト・イントロダクション

はじめまして
絵画専攻の伊藤真央です🍅
私の研究テーマは、【油彩による人物と食の絵画表現の研究と制作】です。
私はこれまで「安らぎ」や「喜び」などポジティブなイメージを持ちながら、主に油彩による人物の絵画表現と向き合ってきました。

「喜び」と言う面で特に注目したのが「誰かと食事をともにする喜び」です。コロナ禍を経て、会話せずとも美味しいものを共有することの尊さと”美味しさ”を感じる表情の面白さを感じることができました。そこで、これまで自分が表現してきたものとこの経験を合わせて、集大成として研究したいと思い本研究に至りました。

これまでの制作活動で掴みかけている自分なりのカラーで、目で見るよりもリアルな世界を描くよう心がけています。
大好きな赤をたくさん使って、楽しく制作中です🔥 
お越し下さった皆さんと、作品を通じて喜びを共有できますように🙂
会場でお待ちしております。

第2回 アーティスト・イントロダクション

 

こんにちは!💭

絵画専攻の上野です。

 

私の研究テーマは「綿とメディウムによる抽象表現の研究と制作」です。

 

3年次より、ミクストメディアの技法に興味をもち、様々な素材を試してきました。そのなかでも強く惹かれたのが、綿(わた)です。ふわふわとした柔らかい質感をもつ綿にアクリルメディウムを混合させ、新たな質感を追求しています。

 

普段はあたたかみがあり、私たちを包み込むような安心感がある綿ですが、メディウムの鎧をまとうことにより、繊維が際立ち、強い生命力を感じさせてくれると同時に、毒々しさや不穏な印象も与えてくれます。
繊維1本1本を際立たせるために、爪楊枝を使い、少しずつ綿の繊維を引き出して表現しています。

私は時々、言葉にならない感情を抱くことがあります。そんなきもちのもつれを綿に託したいと思い、制作を始めました。激しく重なり合う綿同士の質感は、私の心に執拗に張り付く記憶や感情の波を代弁してくれます。

作品を観て、綿の生命力を感じていただければ嬉しいです。色彩と綿のテクスチャーの両方をお楽しみください。
また、観たときに「心地良い胃もたれ」が残る作品を目指して制作しています。クセになるくどさやしつこさを感じていただければ嬉しいです。
ぜひ会場でお待ちしております!☺️

第1回 アーティスト・イントロダクション

 

こんにちは。

絵画専攻の西村です。

私の研究テーマは、「油彩による絵画表現の制作と研究」です。

 

私は今まで、生きていく中で感じた「葛藤や迷い、ゆらぎ、孤独」を題材に制作を続けてきました。

この4年間は自分のアイデンティティや,単純に区切ることのできない複雑な自分の思いに困惑することが多くありました。それと同時に,今までに無かった経験をしたり,大切な仲間たちと交流したりする中で新たな自分に出会う機会が多くありました。

そんな機会を経て,私は,人間の顔や身体といった身体的な特徴よりも、置かれた環境や巡り合う人々、培った経験などによって幾通りにもカタチを変える「人間のなかみ」に大きな魅力を感じ、表現を模索してきました。ぐらぐらとゆらぎやすいが故に、その在り方に苦しんだり、悩んだりすることもあるけれど、不安を抱えながらも生きようとする姿に人間の本当の「力強さ」や「美しさ」があると私は思います。

今回の卒業制作では、今までの題材に加え、私が感じる人間の「力強さ」や「美しさ」を表現したいと思い、制作しました。

私の作品が、ほんの少しでも皆さまの内側に目を向けるきっかけになれば幸いです。

ここまで読んで下さり、ありがとうございました。

絶賛モラトリアム中の今でしか描けないものがあると信じて、私の4年間の集大成を卒業制作に込めます!

皆さまのご来場を心よりお待ちしております!